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摘出脳固定装置

SCENE 01

 キッチン用品で卵のスライサーがあるのをご存知ですよね。
普通の卵ではなくうずらの卵大のスライサーを製作したいというお話。

マーモセット標準脳MRI3Dデータに基づいた摘出脳固定装置

ウズラの卵のスライサー?

 まだ、弊社が川崎にあった2011年。市内にあった研究所の方からアルミでキッチンにある卵を輪切りにするスライサーのようなものを作りたいという問い合わせを頂きました。ただし、その卵は普通の卵ではなく、ウズラの卵ぐらいの大きさということ。卵のスライサーというとあの卵を置いて、櫛のように等間隔で揃ったワイヤーで切断するものです。とりあえず、会って話がしたいということで後日、来社頂くことになりました。
 
コモンマーモセット

 後日、2名の研究員の方が資料を持って、来社され詳しいお話を伺いました。研究されているのはマーモセットというサルの1種で、そのマーモセットは人と近い動物だそうです。そのため、生理学的・解剖学的や薬物代謝など生命科学研究に貢献しているそうです。このマーモセットの 標準的な脳大きさはウズラの卵ぐらいの大きさで、今回はそのマーモセットの脳を輪切りして調べる装置を製作したいというお話でした。これを製作することにより、MRIでのデータと実際の断面の様子を相互で比較が可能になるとのことです。
脳のMRIからCAD変換後加工データを作ります

 脳のMRIからCADデータに

 MRIで測定したマーモセットの標準的なデータをその場で頂き、CADで確認作業をしました。一点気になっていたのは、スライスする刃の幅とその深さです。通常の卵スライサーですとワイヤーなので、ごく細いものですが、弊社にはワイヤーカット装置がありませんので、条件としては切削できる溝幅になります。また、切削加工場合はその溝幅が細ければ細いほど、深ければ深いほど使用する刃が折れやすく、難しくなります。今回切断に使用するのは医療用のかみそりということで溝の深さを伺い、弊社でできる幅を提示して製作を進めました。

マーモセット標準脳MRI3Dデータに基づいた摘出脳固定装置

 くるみのような肌の脳

 CADデータの段階で肌がくるみのようで、弊社でも一番細いボールエンドミルを使用して切削加工を行いました。(脳のような3次元形状のものはボールエンドミルと切削工具を使用して製作を行います。)こうした形状の場合、データの面と面が非常に微細で本来であれば、極小のボールエンドミルを使用しますが、使用用途から考慮してそこまでは必要ないと思い、細かい個所は最終的に手作業で磨き作業を行いました。
 通常は、どのような部品か分からないものを作ることが多いため、なにかしっくりいかないことがありますが、このように直接、使用する方の話を伺い、製作するのは時間はかかりましたが、面白い作業です。こうした分野に携われたことを誇りに思います。
 

機器の名称:マーモセット標準脳MRI3Dデータに基づいた摘出脳固定装置
機器資料提供:疋島啓吾様、安東潔様、岡野栄之様